今日の一言 返本率って何?

2012/06/06

返本率とは

返本率の定義


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返本率とは、取次会社と呼ばれる日販、トーハンなどから書店にて販売される目的で、書店に卸された本のうち、売れ残ったなどの理由で、書店から取次会社に返品された本の割合のことを言います。(※最終的には取次会社から出版社の倉庫に戻されます)

例を挙げます。Aという本が100冊、書店に納入されたとします。一カ月の間に、45冊が販売され、5冊が万引きされてしまいました。残った50冊が取次会社に戻されました。

残った50冊 ÷ 納入された100冊=50%
この50%のことを返本率と呼ぶのです。

もう一例挙げましょう。

Bという本が100冊、書店に納入されました。一カ月の間に、25冊が販売され、5冊が万引きにあいました。残った70冊が、取次会社に返品されました。

残った70冊 ÷ 納入された100冊=70%

この70%が返本率です。

返本はなぜ発生するのか

そもそも返本というのは、世界中の出版業界において、珍しい制度です。多くの国では買取制度を採用しているからです。日本は委託制度です。つまり、取次会社から仕入れた本は、代金を払って買い取ったわけではなくて、無料で仕入れて、売れた分だけの代金をあとから取次会社に支払うという都合のよい制度です。


委託制度においては、もうひとつ看過できない問題が発生します。それは、一方的に取次が書店に対して本を送りつけてしまうことです。これは常態化しています。


書店は求めてもいない本が自動的に取次から送られてきます。面白い本、面白くない本、売れる本、売れない本、玉石混交の状態です。ですから「陳列すらせずに取次に本を返本した」という話もでるほど。


委託制度が長年続くと、書店の目利き能力は格段に落ちてしまいます。自動的に送られてきた本を、なんとなく陳列するだけ。そんな本屋さんに誰が行きたくなるでしょうか。いま町の書店は急速に数を減らしています。その原因は、長年続いた委託制度にその一因があるといってもいいすぎではありません。


ところで。いま書店にて売られている本の平均が50%を下回ってきています。大手書店を含めてですから、本を売るには非常に厳しい時代だとも言えるでしょう。ただ、だからと言って本を販売する努力を怠ってはいけません。基本から抑えていけば努力に応じた結果を残せるはずです。お気軽にご相談くださいませ。


日本独特の出版業界における商習慣から生まれたものだからです。





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